世界遺産の温泉・温泉津の薬師湯は、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%本物のかけ流し湯温泉です。自然湧出で源泉脇。しびれるような心地良い「生の温泉」は、体を芯から温めてくれ、免疫力アップや未病対策に好評です。オール5は山陰では薬師湯だけです。

湯婆婆ブログ

稀有な戦後スタイルの建物・薬師湯

投稿日:2012年08月06日 / 記事カテゴリー:

薬師湯(旧・藤の湯)は、温泉津で唯一の鉄筋コンクリートの建物です。
一見、昭和時代の映画館を思わせるような外観で、看板がなければ温泉施設だと分からないこともあるようです。

いつだったか温泉津の温泉街を行政関係者が外国人を案内していた時の話です。
薬師湯の前を通り過ぎながら、外国人同志「この建物はレストランかな…」と言っていましたが、一緒にいた行政関係者がその会話を聞き逃していたので、レストランだと思ったまま帰られたことがありました。

温泉津の温泉街で人目を引く建物と言われる薬師湯は、日本的な街並みの温泉津にはちょっと珍しい洋館で、外観のみならず内部の細工や工法などに、その当時の建築技法や特徴が沢山詰まっていると専門家に言われたことが何回かあります。

その内のいくつかをご紹介したいと思います。
例えば階段の手すりの丸いパイプですが、このタイプの手すりは当時、よく使われていたそうですし、特に階段の半分の所で折り返しがありますが、その曲げ具合はパイプの階段の典型的な特徴だと言われます。
二つ目は階段の板を挟むように使われている“H鋼”ですが、これまた当時はよく使われた物だそうです。
そして2階3階の踊り場部分の小石を敷いた感じのタタキは、今時ではこの細工をする人・出来る人が殆どいないので、大事にしてほしいと言われます。

更には施設の出入り口にあたる玄関のタタキと施設前の、現在は軽自動車の駐車場にしているタタキも、当時独特な手法で作られているので、近代のタタキにはしないで、現状維持での保存をしてください、と行政関係者や専門家に言われています。

つい昨日、昭和の時代の建物ばかりを収録した本を出したいと九州から来たという男性は、九州、山口県と島根県に特化し、旅をしながら調査をしているのことでした。
その方のお話でも、やはり戦後の建物は意外なことに、取り壊されてしまっていることが多いと言われました。

温浴施設の薬師湯ですから、やはり外からのお客様にお洒落な洋館でゆっくりと入浴していただきたいというお持て成しの心をもっていたことが推察されます。
お客様を第一に考えるお持て成しは、日本の美的精神を物語る一面だと思います。今、その薬師湯のビジネスに携わっている私たちも、同じ志で日々精進をしておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

お洒落とか可愛い、また昭和レトロの建物だといわれる薬師湯へ、是非、お出かけくださいませ。
お待ち申し上げております。