世界遺産の温泉・温泉津の薬師湯は、日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価の「オール5」を受けた100%本物のかけ流し湯温泉です。自然湧出で源泉脇。しびれるような心地良い「生の温泉」は、体を芯から温めてくれ、免疫力アップや未病対策に好評です。オール5は山陰では薬師湯だけです。

湯婆婆ブログ

桜の一枚板の階段

投稿日:2012年07月25日 / 記事カテゴリー:

現在、温泉施設として使っている薬師湯は、2000年まで「藤の湯」と呼ばれていました。
戦後、町外から来られるお客様に綺麗な施設で入湯していただきたいと建てられたもので、昭和29年から営業を始めています。

薬師湯には、意外と若い世代の方が来られます。
その世代のお客様が来られた時の会話で、
平成も24年になると、「昭和」という時代は立派に過去の時代として若い人たちがとらえていることを感じさせられることがあります。
どのような会話かと申しますと「昭和レトロって、いいわね」とか「わあ、可愛い建物!」などと言われるからです。

その薬師湯の建物の1階中心部に、2階ラウンジから3階のガーデンテラスへと続く階段があります。 実はそれが桜の一枚板の階段なのです。
国会議事堂にも桜の板の階段があるそうですが、「もう入手不可能な素材だから大切に使ってくださいね」とお客様に言われたことがあります。

幅が広くて、緩やかな勾配の階段を上り下りしていると、なんだか優雅な気分になり、また気持が大きくなったり落ち着きます。そしてとっても贅沢な造りの階段・施設であることも分かります。
ずっ~と3階まで、桜の一枚板の階段が続いているのですから・・・・

お客様の中には建具関係の方も来られますから、階段の先端部分が3㎜ほど、上を向いていることも教えていただきました。
理由は滑り落ちにくくするためだそうです。その匠の技、考え方に感心させられます。
このように薬師湯は全国各地から来られるお客様の職業も様々で、本当に多方面のお話が聞けて、いろいろと教えていただけるのが、「職業冥利につきる」といえそう・・・と思っています。

薬師湯の旧館は大正初期の木造洋館で、温泉津に現存する温泉施設としては最古ですが、今の薬師湯は昭和の近代建築として典型的なスタイルだそうです。
例えば階段の手すりに使われている丸パイプとそのカーブ・曲げ方や電車の線路のようなH鋼の使用などを上げることができると聞きました。
このように当時のまま残されている建築物は、平成の今日では殆どないのではないかとさえ言われます。

それでお客様には桜の一枚板の階段を素足で上っていただき、桜の板の感触を楽しんでいただくことをお勧めしています。
その一方では将来的にも保存を考えて、そっ~と、上り下りをしていただくようにとお客様にお願いをしてもいます。

薬師湯に来られたら、是非、この桜の階段感触を楽しみながら、屋上のガーデンテラスで街並みの景観をお楽しみください。

皆様のお越しをお待ちしております。